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ルンバという「ロボット」を科学する

Roomba 880 Split Room on Carpet

「洗濯板から洗濯機に切り替わった時、主婦の生活と価値観が一変しましたが、ルンバとの出会いは、おそらくその時以上の衝撃です。ルンバに掃除を任せているとなぜか毎日が楽しくなります」こう語るのは、自身もルンバを愛用しておられる科学コミュニケ-ターの大崎章弘さん。科学者をも魅了するルンバという「ロボット」を、大崎さんとともにちょっぴり科学的視点からみてみましょう。

ロボットだからこそ、道具を越えた存在に

「いまさらながら、ルンバというロボットはめちゃくちゃよくできていますね。誤解されがちですがロボットに必要なのは、知能だけではありあせん。体と知能がセットになってはじめてロボットとして完成するんです。
この“体“の最適化は、経験によって生み出されるもので、ルンバの体はまさに職人技!よく考えられているなぁと感じてやみません。」

――大崎さんにとって、ルンバは道具ではないといいます。

「掃除のために生まれた生き物というか…私にとってはパートナーのような愛着があります。それは実用的で役に立っているからこそでしょうね。道具としての掃除機と、パートナーとしてのルンバ。この差は大きいと思います。」(大崎氏)

ルンバは昆虫型ロボット!?

ルンバは、壁やカーテン、家具などにぶつかることによって、自分がどういう状況に置かれているかをいち早く認識して、その環境、状況に合わせた動作のパターンを選択していく。それを司っているのが、“考えながら行動する”ルンバ独自のテクノロジー「iAdapt®(アイアダプト)」です。

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「ルンバはぶつかることで自分の目の前にあるものは何かを判断しています。私たちが真っ暗な洞窟を歩く時、壁に手をついて恐る恐る周囲の空間を探りながら前進するのと同じ行動なんですね。ルンバの認識方法のスゴイところは、『物にあたってどうするか』という判断が条件反射でできるところです。」(大崎氏)

「これはアイロボット社の創設者の一人でもあるロドニー・ブルックスという科学者が考案した、サブサンプション・アーキテクチャー(subsumption architecture)という人工知能の方式で、「昆虫」がモチーフとなっています。」

――なぜ昆虫をモチーフにしたのでしょうか?

「昆虫はごく限られた空間で生きて子孫を残すため、脳は小さくとも、その環境に適した体と能力を持っています。ロボットも同じように、必ずどこかで何かをするための“用途”があるはずですよね。昆虫は“ある決められた環境で最適なパフォーマンスを発揮する”ために最適なモデルです。」(大崎氏)

「サブサンプション・アーキテクチャーを一言難しい言葉で言えば、“並列分散処理”。たとえば、人間はひとつの脳から神経・筋肉へと動作の指令を出します。これを集権型システムといいます。これとは異なり、体のあちこちで動作の指令を出すことができる多中心型システムが、並列分散処理です。人間でいう条件反射の状態に似ているかもしれませんね。」(大崎氏)

「ロボットとしてみると、末端で得た情報を集約してから処理するよりも、圧倒的に処理スピードが速い特徴があります。スポーツをするときをイメージしてみてください。いくら頭でわかっていても実践に移せなければならないし、実践しながらまた考えなければなりません。スポーツで例えると、さながらルンバはお掃除アスリートと言ってもいいかもしれませんね。」(大崎氏)

ルンバは障害物に当たることを前提として創られています。それは人間と同じかそれ以上に壁際や家具周りまでも清掃を行き届かせるため。その代わり壁や家具を傷つけないように角がない円形であり、バンパーで衝撃を緩和したり、フロント部分がラバー状の材質になっていたり、さまざまな配慮がなされています。「まさに掃除というパフォーマンスを完遂するための究極形ですよね。」(大崎氏)

フラッグシップモデル ルンバ980では、ルンバならではの基幹テクノロジー「iAdapt(アイアダプト)」が「iAdapt(アイアダプト)2.0」に進化し、「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」の技術をはじめて採用しています。
「SLAM」とは自己位置推定とマップ作成を同時に行う方法で、ルンバはカメラを用いた「vSLAM® (Visual SLAM)」の技術を採用しています。

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「サブサンプションとSLAMは全くの別モノではありません。サブサンプションの延長に『SLAM』という考え方があります。」(大崎氏)

「『SLAM』とは、自分がどこにいるかを判断し、その情報を元に自分から見た世界の地図を作っていく(マッピング)方法です。人工衛星のように俯瞰的に見渡すのではなく、見て・動いて地図が正しいかどうかをリアルタイムに判断・修正していきます。見て・動いて精度を上げていくという点において、SLAMのベースは昆虫をモチーフにしたサブサンプションにある種とても近いんです。」(大崎氏)

「SLAM」にはレーザーレンジファインダーを用いることも多いのですが、レーザーレンジファインダーはコストがとても高く、大型です。家具の下にも入り込むというルンバの従来の性能やサイズを維持するためであり、かつ多角的な情報収集ができる利点があるため、アイロボット社はカメラを選びました。
ルンバ980の「SLAM」は、本体上部に設置されたカメラ、裏面のフロアトラッキングセンサー、車輪のエンコーダーという3つのセンサーを複合的に使用しているため、走行上の”ズレ”が少なく高い精度を保つことができます。

「今まで暗闇を探検していたルンバが目を持ち、地図を得て動けるようになったことは画期的な進化です」(大崎氏)

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「vSLAMという大きな武器が従来の技術と融合し、新しいテクノロジーへ進化した。
ルンバは今までよりも効率的に動けるようなり、最大112畳というエリアを掃除できるようにもなった。そして私たちは、家中すべてのフロアの掃除から解放された。ひとつの未来がはじまったような気分ですね。」(大崎氏)

大崎章弘(おおさきあきひろ)
科学コミュニケーター。国立情報学研究所コンテンツ科学研究系特任研究員。2009年から日本科学未来館の科学コミュニケーターとしてASIMOリーダー、実権教室リーダー、科学館連携SCリーダー、科学コミュニケーション研修講師等に従事。現在は工学系専門家として活躍中。

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